ようは「そこにそれがある」と認識し、実践できるかどうかが現代人の格差なんじゃないかと
真の敗北者は「選択肢がない」ではなく「選択肢に気づけない」ということだ
「街の本屋」が存在するメリットって、自分の知らない本の存在に気づけること。そして直接その内容に触れて面白ければ購入できるということだ
今の時代では「アマゾンがあれば本屋はなくてもいい」と言われるが
日常的に書店が身近にあって、どういう本がどういうことを書いているかを分かったうえでなければ
アマゾンのページにアクセスしてもそもそも検索ワードを思いつかないと思う
これが認知格差だと俺は思うのです
子どもこそこの問題にさらされていると思う
少子化の結果、街中で子供の遊び場が減っている。一方で、昔はなかったキッザニアみたいな娯楽施設も出てきている
幼少期にいかに自力または親の力を借りて「認識を広げられるか」で人生が左右されると思う
ネットニュースは記事が膨大すぎるが、中身のないベタ記事や無料公開のリード文章しか読めない
けど、床屋のまち時間で紙の新聞を読むと、自分に興味のない、自分と無関係なコラムやルポ、書評などもあってためになる
そしてそれは関心を広げる一助にもなる
今の時代は、努力しないととことん自分の生きる領域が狭くなる
ネットニュースだと自分の気になるやつしか見ないし
外出てふとひらめいたんだよ
それもこの話に連なってくる
東京という巨大都市に生きても「成城石井に一切いかない人」がいる
現に、所得が高くて意識が高そうな目黒駅でさえ駅ビルにはニトリがあり、駅前にドンキがあり、田舎の貧乏チェーン店と同じ顔ぶれが一等地にある。それが儲かる、ということだ
https://shop.seijoishii.co.jp/seijoishii/
一方で、今は成城石井は首都圏のいいとこだけの店ではない
裏日本の新潟や中国地方のような僻地ですら存在するんだ
よほど買いたいものがあれば買えばいいし、大抵は知って終わるウィンドウショッピングだけだがそういう「選択肢」を広げる機会にもなる
ある時ふと思い出してアマゾンでぽちってもいい
けど成城石井が生活導線に存在しなければ、そういうこともできなくなる
外国のチョコレートの存在を知らずに死ぬ人もいる
逆に言えば東京だってコープはある
独居老人はコープの宅配だけが食料品の入手手段の可能性もある
それでは、山奥の限界集落の移動販売だけの生活と変わらない
山奥の限界集落って魅力的じゃん
それも一理ある
極論、山奥で住んでもネットさえあれば情報格差はないともいえる。通販が届けば物質格差もない
たしかアレックス・カー氏だっけか、欧米人のエリートで、来日して日本の里山に惹かれてずっとそこに住んでいるという有識者がいるんだけど
そういう生活ができるのも「世界を認知し、選択肢のある特権」ではあると思う。日曜農業やった翌日には新幹線で東京に出て日比谷のフォーラムでマイク握って内外の有識者と一緒に最新の国際情勢を論じたりしているのかもしれない
問題は、認知でき選択肢を持てない者がいるということの残酷さだ
トー横キッズなんかもその一種だと思う。新宿という、世界一巨大な駅のある大都会の真ん中で、せせこましい「広場」だけにしか生きる場所がない人達
そこにトイレがある事を知っていればお前は漏らさなかった
そして「トイレで用を足す」という行為もわからない赤ちゃんや認知症はおむつに便失禁しまくってる
認知ができないことの不幸だ
「オシャレなカフェレストランみたいな場所は東京にしかない。田舎じゃデートも難しい」とはよく言われてきた
けどね。いまは例えば軽井沢なんか明らかに目黒とかにあったような「都会型の店」があるんだ。そこでは東京と同じ高度なムードを楽しむぼったくり料理が提供されているわけですよね
https://twitter.com/kKMGOS77Izd8aBH/status/1984270761813844331
なのでそういう選択肢が身近にあって、知っていて、自分と関係性があると気づけば思いつきで行くことはできる（人生でたった１回きりでも、毎晩ディナーをするでも）
けど、軽井沢町民でも、マイルドヤンキー系の自営やってるツナギ・ブルゾンの人は、おそらくこういう店があっても自分に関係ないものだとスルーして、小諸当たりの没落地域の人と一緒の人生を生きていると思う
バブル時代に地方で公立美術館をつくる動きがあった
当時は地方ですら人が増えて税収も右肩上がりの時代で、保守派の田中角栄のような土建屋利権のハコモノ作りの発想と、革新左翼の文教拡充を求める発想の利害が一致したんだ
美術マニアなら地方でも上等なキュレーターがいる公立美術館があることは知っている（そこまでマニアじゃない俺でも気仙沼アーク美術館の展示には痺れたりしたし、長野県の県立美術館の東山会館はお気に入りである）
けど、そこに美術館が存在して以降に生まれた、欧米でいうところのMZ世代（ゆとり世代やZ世代）には、その美術館を知らないまま大人になって毎日アルファードで目の前を素通りしてすぐ奥のダイナム信頼の森に行ってジャグラーを打って休日を潰す現実があったりする
1日においてジャグラーに突っ込んだ金より美術館の入場料の方が明らかに安いにもかかわらずだ
根本的には同じ事だな
親が金持ちなら広く経験を金で与えて認知機会も増えて将来金持ちになる
岡山ローカルだが、Youtubeで全国で見れる
https://www.youtube.com/watch?v=Yp3tAK6r5ng
これを見て気づくことは、高級レストランで出てきそうなおしゃれな皿があるということ。おそらく海外で買い付けたんだと思う
営業当時を知るおばあさんはいかにも「マダム」の上品な雰囲気で、昔は高くて買えなかった、岡山に来れば必ずここに来ていたと言っていた
シャッターアーケード肯定論者はイオンモールがあるから商店街はいらないという
けど根本的な違いは、イオンモールでは、テナントのニトリの安物はあっても高級デパートにしかないような海外の贅沢品などないということだ
昭和の地方都市には、外の上等な文化を認知し、たとえ買えなくてもその存在を知ること、記念日にふんぱつして買うなどの行為ができる利点があった
だが今のイオンモールは、ニトリやユニクロのような田舎はどこでもある残念な貧乏な全国一律型の消費文化の（文化ともいえないような）商品を買うことはできても、その外を一生しれないということだ
どんな巨大イオンモールにも三越にあるような店舗や商品は永遠にやってこないのである
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