わが友ヒトラー 帝国宰相編

サムネイル
1 : 2023/07/16(日) 12:34:18.43 ID:ChjChSp20
史上最悪の独裁者として名高いアドルフ・ヒトラー
そんな彼を友と呼ぶ男がいた

一九〇〇年代のドイツ
二人の少年の物語

参考・引用
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)

2 : 2023/07/16(日) 12:34:41.30 ID:ChjChSp20
一九一四年 第一次世界大戦勃発 

戦争がすべてをぶち壊した
僕がレールから外れたのではない、レールそのものが吹き飛んだのだ
音楽家の道は途絶え、兵隊としての道が始まった
僕に兵士という役はふさわしくなかったと思う
けど、戦友たちと同様に自分の義務は果たそうと努力した

一九一八年 クビチェク父永眠

 ( ¯灬¯ )
┏┛墓┗┓

父は家具職人を辞め、郊外に畑を買い、ひっそりと過ごしていた
そして絶望と悲痛の中で亡くなったと戦場で伝えられた
父さんにはもっとよい晩年を送って欲しかった

3 : 2023/07/16(日) 12:35:09.76 ID:L0laEMrR0
で、出る?
は、入る!
4 : 2023/07/16(日) 12:35:14.77 ID:ChjChSp20
一九一九年 第一次世界大戦終結

運よく生き残った
でも、どうやって生きていけばいいのか分からなかった

音楽を楽しむ余裕など誰も持っていない
僕があれほど努力して身につけた音楽は……
誰にも必要とされない無用の長物となっていた

もはや僕一人ではどうしようもなかった
そんな時だった母から手紙が届いたのは

『エフェーディングの役場で事務員を募集しています。
市長さんが言うには
これから採用する職員には戦争中に解散されたオーケストラを新しく設立し
指導する役割が期待されると。
クビチェク、あなたにピッタリの仕事だと思います。
よかったら考えてみてください。
母より。愛する息子へ』

5 : 2023/07/16(日) 12:35:38.64 ID:ChjChSp20
母が気をつかっているのは明らかだ
仕事内容を見ても、給料は少なく、芸術的な業務なんてほとんどなかった
でも他に選択肢はなかった
なによりこれ以上、母を心配させたくなかった

そして僕は役人となった

6 : 2023/07/16(日) 12:36:09.69 ID:ChjChSp20
一九二〇年 アドルフ・ヒトラー ナチス党結成
一九二三年 ミュンヘン一揆 アドルフ・ヒトラー逮捕
一九二五年 アドルフ・ヒトラー ナチス党を再結成

時が過ぎるのは早いものだ
役人になってからもう十年は経とうとしていた
生活は楽ではなかったが、子供もできた
趣味…音楽に捧げる時間も少しずつだが持てるようになっていた
そしてアドルフの生存も知ることができた…

7 : 2023/07/16(日) 12:36:34.33 ID:ChjChSp20
一九二八年 ナチス党 十二の国会議席を獲得

新聞を見て一目ですぐに彼だと分かった
青白くひっそりとした彼は何も変わらない大きな目を輝かせて演説していた

とても残念だった

彼も僕と同じく芸術の道を歩めなかったのだと
芸術活動を断念することが彼にとって何を意味するかを考えると
胸が苦しくなった

この間、僕は不思議とアドルフに連絡を取る気にはなれなかった
なぜだろうか…
仕事や生活が多忙であったからだろうか
それも理由になるだろう

……でもやはり、僕と彼を繋いでいたのは芸術だったのだ
このとき、僕と彼は芸術とはあまりに疎遠だった

8 : 2023/07/16(日) 12:37:31.99 ID:ChjChSp20
一九三二年 ナチス党 選挙で大勝 
一九三三年 アドルフ・ヒトラー 首相に就任

「お前たち あまり遠くに行ってはダメだぞ!」
『は~い』

我が子ながら素直なものだ
それにしても子供がこれほど愛おしい存在だとは……
お父さん、お母さん…
そして…クララおばさんもこんな気持ちだったのかもしれない

おっと、感傷に浸ってばかりもいられない
握りしめていた新聞の一面には次の記事が大々的に書かれていた

『アドルフ・ヒトラー 帝国宰相に就任』

今や彼の聴衆は僕だけでなく、何万、何十万……何百万人となろうとしている
まさか彼がここまで上り詰めるなんて誰が予想しただろう
僕も大人も教授も誰もできなかった

…いや、リンツの少年時代からもしかしたらアドルフだけは
こうなることを予感していたのかもしれない
そう考えると不思議と納得がいった

また、感傷的になっている
やることがあるのに…

9 : 2023/07/16(日) 12:37:49.55 ID:ChjChSp20
納屋をあさってようやく
鍵がかかっている古びれたトランクを見つけた
確か、鍵はコレで開くはずだ

ガチャ

トランクの中には大きな青い封筒があった
そして僕の筆跡で
アドルフ・ヒトラーと書かれていた

10 : 2023/07/16(日) 12:38:11.22 ID:ChjChSp20
封筒の中には手紙、絵はがき、スケッチが入っていた
どれもアドルフから貰ったものだ

大人びた文字で所々綴りを間違えている手紙が数点
出来の悪い水彩画が数枚
押し付けられた邸宅の設計図も入っている

そして、一番底にあったスケッチには
若かりし僕が羽飾りの着いた軍帽をかぶっていた

12 : 2023/07/16(日) 12:38:35.53 ID:ChjChSp20
彡(゚)(゚)(おいクビチェク 見てみいや!)
彡(゚)(゚)(まるで古参兵のようや)

彡(^)(^)(お前はまだ新兵ですらないのに!)
(´・ω・` )(また そうやってボクをからかって…)

フフッ…

(´-ω-`) .。oO(あの頃の記憶が湧き出てきた)
…どうして忘れていたんだろう
恐ろしい戦争の出来事や戦後の悲惨な状況が蓋をしていたのかな?

(´・ω・`) .。oO(まあ、いいや)
さて、掘り出したはいいが
どうしたものか?
今ならきっと高値で売れるだろうけど
思い出を売り払うようなことはしたくない

(´・ω・` ) .。oO(…でも、持っていてもしょうがないしな)
なんだったら本人に送るか?
いまさら?
帝国宰相の彼に…?
僕のことを覚えているかも分からないのに…?

(´・ω・`) .。oO(……よし!)
とりあえず、一筆書いて聞いてみよう
返事がくるとは思えないけど…

13 : 2023/07/16(日) 12:39:12.49 ID:ChjChSp20
(;;;゚Д゚;)「ク、クビツェクさんお、お、お便りです…」
(´・ω・`)「はーい」

(;;;゚Д゚;)「こ、これを ででは失礼します」

(´・ω・`)?
なにをそんなに怯えているんだろう
それで、差出人は?

『アドルフ・ヒトラー』

(。゚ω゚)!!!

14 : 2023/07/16(日) 12:39:41.39 ID:ChjChSp20
『親愛なるクビツェク!
今日やっと君の手紙を見た。
就任以来、膨大な量の手紙を見るので、こういうことは珍しくないないのだ。
それだけに、長い年月の末に初めて君の消息と居場所がわかって、とても嬉しい。
困難な闘争の日々が終われば
僕は喜んで我が人生最良の日々の思い出にまた浸りたい。
君が僕のところに来ることは可能だろうか?
旧友を想いながら、君と君の母上にご多幸をお祈りします
アドルフ・ヒトラー彡(゚)(゚)』
15 : 2023/07/16(日) 12:40:24.83 ID:ChjChSp20
(。゚ω゚) .。oO(アドルフは僕のことを覚えていた……!!)

(;´・ω・` ) .。oO(…でも)
『我が人生最良の日々』は言い過ぎだと思う
あの貧しくて困窮していた日々を……

   ブンブン
(-ω-`;≡;´-ω-)

アドルフの想いを僕が否定していいはずがない

(´・ω・`) .。oO(それにしても…)
『君が僕のところに来ることは可能だろうか?』だって?

( ;´-ω-` ) .。oO(無理に決まってるじゃないか……)
僕はただの小役人、アドルフは帝国宰相
どの面下げて会いにいけばいいのさ…
それに僕にはもう家庭がある
仕事をほっぽり出すこともできない……

(;`・ω・´) .。oO(って何を真に受けてるのさ!)
こんなのただの社交辞令じゃないか
僕はもう子供じゃない大人だ
社交辞令を真に受けるなんてどうかしてる

(´・ω・`) .。oO(そうだよ………)
ほんとうにどうかしてる

16 : 2023/07/16(日) 12:40:55.19 ID:ChjChSp20
役所
ザワザワ…ザワザワ      ザワザワ…ザワザワ
(´0`)´0`)´0`)    (´0`(´0`(´0`*)(´・ω・`)

職場ではある話題でもちきりだった

(*´0`)´0`)´0`)『帝国宰相がリンツを訪問するんだって』

(´・ω・`)……
彼がわざわざボクに会いに来たのではない
その証拠にアドルフが故郷リンツを訪れるなんてボクも初耳だった

何のめぐり合わせか分からないが
たまたまアドルフから手紙が来た後に
たまたまアドルフがリンツを訪れ
たまたまボクも足を運んだ
ただそれだけのことだ

17 : 2023/07/16(日) 12:41:32.34 ID:ChjChSp20
リンツのホテル前

ザワザワ ハイル! ザワザワ ハイル! ザワザワ
…ー╲(⚭-⚭╲(⚭-⚭( ⚭-⚭ )⚭-⚭)/⚭-⚭)/ —

(。゚ω゚) .。oO(うわっ、すごい人だ)
ウィーンの駅を思いだすよ
こんな中をかき分けて行くなんて至難の業だ
…でも

(`・ω・´) .。oO(これでもあの大都会で揉まれてきたんだ)
負けないぞ!

┗(`・ω・´)┓三三3

18 : 2023/07/16(日) 12:41:35.70 ID:BCvzRF6D0
ほとんどイッチしか書いてないやん
19 : 2023/07/16(日) 12:41:58.97 ID:ChjChSp20
( ;´-ω-` ) .。oO(ふぅ、やっと前までこれた……)

(⌐■_■)⌐■_■)⌐■_■)『なんだお前は!!』

:(´ºωº`): .。oO(ひぃ、怖い顔!)
きっとアドルフの親衛隊だ
屈強な彼らに不審者だと思われたら
僕なんて成す術もなく取り押さえられるに違いない
……でも

(`・ω・´) .。oO(僕だって戦場を生き抜いて来たんだ)
負けない!

(´・ω・`)「ア、いや違う」
(;`・ω・´)「ヒトラー総統閣下に会わせてください」

(;⌐■_■) ;⌐■_■) ;⌐■_■)『なに言ってんだ お前??正気か?』

( ;´-ω-` ) .。oO(まあ、そうなるよね)
後ろからの視線も痛いし……

20 : 2023/07/16(日) 12:42:46.50 ID:ChjChSp20
ソウトウニアワセテダッテヨ プーナニアノオヤジ ヤマダタロウオツ

(´-ω-`) .。oO(…聞こえない聞こえない)

(;´・ω・` )つ「えっと…これを見てください」
(⌐■_■)⌐■_■)⌐■_■)「なんだ……ん!!!」

親衛隊の男は手紙と僕を交互に何度も見比べた
そばにいた同僚と何度も顔を合わせ不振がった
そして、上官を呼んだ

(*■_■)「なんだいったい?」
(;⌐■_■) ;⌐■_■) ;⌐■_■)つ「これを……」

Σ(*■_■)「……!!」

(*■_■)「部下が失礼しました。どうぞこちらへ」

ウオオ!トオサレタゾ イッタイナニモノナンダ!
…ー╲(⚭-⚭╲(⚭-⚭( ⚭-⚭ )⚭-⚭)/⚭-⚭)/ —

21 : 2023/07/16(日) 12:43:23.04 ID:ChjChSp20
ホテルの中

(。゚ω゚) .。oO(うわぁ!)
新聞で見るような有名人ばっかりだ
大臣、高官、将軍……
この人たちが今のアドルフの……
それにしてもすごい慌ただしさだ!

( ;´-ω-` ) .。oO(頭がクラクラしてきた)
人が多いのもそうだけど
僕はこれから彼らを率いる帝国宰相に会うんだ…
今さらだけどとんでもないことをしようとしてるんじゃないかな?
アドルフと別れてからもう三十年と経とうとしてるんだよ!
……それなのに今さら会おうなんて
………

(;´・ω・` ) .。oO(やっちゃったかな……)
どうしよう…もう帰りたい……

22 : 2023/07/16(日) 12:43:51.78 ID:L0laEMrR0
おっとファールかぁ?
入ったヒットラー🫡
23 : 2023/07/16(日) 12:43:52.05 ID:ChjChSp20
( ´_ゝ`)「クビチェクさんですね?どうぞこちらへ」
(;´・ω・` )「は、はい…」

(;´・ω・` ) .。oO(どうしよう…)
胸がドキドキだ
偉くもないし、立派でもない
そんな僕が……

帝国宰相に会うなんて……

アドルフなんて呼んだら…駄目だよね
礼儀正しくしないと
彼もそういう無礼なのが嫌いだったし…

24 : 2023/07/16(日) 12:44:32.49 ID:ChjChSp20
案内され少し歩いた
すると突然ガチャっと、とある一室のドアが開き
質素なフィールドグリーンの上着を着た見知った男が出てきた

彡(゚)(゚)「ん?」
彡(^)(^)「お、クビツェクやんけ!」

(。゚ω゚) .。oO(ええええええええええ)
アドルフが出てくるの!!??
てっきり僕が部屋に入っていくものとばかり!??!?

彡(^)(^)「いや~ホンマ 久しぶりやな~!」

    ガシッ!
(。゚ω゚)つ⊂(^)(^)ミ

と彼は僕の右手を両手でしっかりと握りしめ
昔と同じ明るく大きな目で見つめてきた

25 : 2023/07/16(日) 12:45:12.84 ID:ChjChSp20
(。゚ω゚) .。oO(あっわわわわわわわ)

(。゚ω゚)「お、お久しぶりです総統閣下…」
(。゚ω゚)「この度は急に押し掛けてしまい申し分ありません」

(;´・ω・` )「今日のお日柄もよく…えと…」
彡(゚)(゚)……

彡(^)(^)「上出来や、クビツェク! 」
彡(゚)(゚)「ついにお前も他の連中と同じことを言うようになったな」

(´ᴖωᴖ`;)「あ、あはは…は…」
彡(゚)(゚)「まあええ、ついて来いや!」

(゚)(゚)ミ(‘・ω・`; )三三3 (´<_`)三3
とアドルフは前を歩いていった

26 : 2023/07/16(日) 12:45:37.12 ID:ChjChSp20
チーン 上に参ります

(´・ω・`) .。oO(え?)
エレベーターに乗るの?
ボクとアドルフと偉そうな人……の三人

シーン

(;´・ω・` ) .。oO(き、気まずい……)
なにか話した方が……
いや、ダメだ。ちゃんとしないと

チーン 三階です

テクテク…ガチャ
( ´_ゝ`)「どうぞお入りください」

物腰の柔らかい彼に促され、とある一室に通された

( ´_ゝ`)「ではごゆるりと」
ガチャ

(。゚ω゚) .。oO(え、アドルフと二人っきり!!!)
(´・ω・`)いや、まあ別にいいんだけど……

27 : 2023/07/16(日) 12:46:30.66 ID:ChjChSp20
通された場所は、バルコニーからリンツが一望できる部屋だった

彡(゚)(゚)「クビツェク、お前は本当にあの頃のままや」
彡(゚)(゚)「お前がどこにいても、ワイならすぐに見分けられたで」

彡(-)(-)「お前は何も変わっとらん」
彡(゚)(゚)「ただ年をとっただけや!」

彡(^)(^)「こうして再会できてホンマ嬉しいで!」
(;´・ω・` )「あ、ありがとうございます」

彡(゚)(゚)……

彡(゚)(゚)「スマンな 本当は会いに行きたかったんやが…」
彡(-)(-)「今のワイにプライベートはないんや……」

彡(-)(-)「普通の人みたいに振る舞うこともできないんや……」

(´・ω・`) .。oO(なに言ってんだい)
もとから普通ではないし
アドルフこそ昔とまったく変わらないじゃないか

( ;´-ω-` ) .。oO(……なんて言えないや)
(;´・ω・` )「はい、理解できています」

28 : 2023/07/16(日) 12:46:59.46 ID:ChjChSp20
彡(゚)(゚)「……見ろや、ドナウ川に架かるあの橋を」

彡(゚)(゚)「まだ架かっとるで 昔と変わらんボロいままやな!」
(;´・ω・` )「そうですね」

彡(゚)(゚)「ワイは断言するで! あの橋をあのままにはせん」
彡(゚)(゚)「橋だけやない、リンツの街そのものを根底から変えたる!!」

彡(-)(-)「でもな……街を作り変える前に……」
彡(゚)(゚)「ワイはまたお前とあのボロ橋を渡ってブラブラ歩きたいんや」

彡(-)(-)「だがそれは無理や…… ワイが現れれば、皆がついてまわる」
彡(゚)(゚)「しかしなクビツェク、信じてくれや 」

彡(゚)(゚)「ワイは故郷にたくさんのことをしてやるつもりや」
(´・ω・` )「あ、あの頃の計画ですね」

彡(^)(^)「せや! 覚えとったか!!」

彡(•)(•)「お前はワイの計画を実現不可能やと疑っとったが……」
彡(^)(^)「今こそあれを実現するで!」

彡(^)(^)「まずはどでかいオーケストラからや!」

アドルフは青春時代に企てたすべての計画を再び披露した
まるであの頃から三十年ではなく
せいぜい三年しか経っていないかのようだった

29 : 2023/07/16(日) 12:47:40.61 ID:ChjChSp20
彡(゚)(゚)「ところで、お前は何になったんや?」
(´・ω・`)「私は地方官司になり、助役になりました」

彡(゚)(゚)「助役とはどういうもんや?」
(;´・ω・` )「え、ええと…つまり、役人です」

(;´・ω・` ) .。oO(し、しまった!)
役人は禁句だ!!
これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!
つい口が滑った

( ; ›ω‹ ) .。oO(くるか来るか!?)

彡(゚)(゚)「そか、役人か……そか」
(´・ω・`) .。oO(あれ……?)

彡(゚)(゚)「せやけど、お前には合わんやろ」
彡(゚)(゚)「お前の音楽的才能はどこにいったんや?」

(;´・ω・` )「えーと…」

僕はありのままを話した
戦争によって僕の音楽家の道は途絶えたこと
飢え死にしたくなかったこと
母の勧めから役人になったこと

彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「せや、戦争のせいや」

30 : 2023/07/16(日) 12:48:50.79 ID:ChjChSp20
それからもアドルフは僕のプライベートを聞きたがった
正直に話した
今は家庭を持って大変ながらも落ち着いていること
そして規模は小さいがオーケストラを作ったことを

彡(-)(-)「……町で小さなオーケストラを…」
彡(゚)(゚)「素晴らしいことや」

彡(^)(^)「さすがやクビチェク」
彡(゚)(゚)「で?どんな交響曲を演奏しとるんや?」

(´・ω・`)「シューベルトの『未完成』」
(´・ω・`)「ベートーヴェンの『英雄』『運命』」
(´・ω・`)「モーツァルトの『ジュピター』などです」

彡(-)(-)「そかそか……ワイも直接 聞きに行きたいで…」
(。゚ω゚)「本気ですか?」

彡(•)(•)「もちろん本気や!」
彡(^)(^)「あれからどんだけ上手くなったか楽しみやわ!」

彡(-)(-)「……まあ、さっきも言ったが無理なんやけどな……」
(;´・ω・` )「そうですよね…」

31 : 2023/07/16(日) 12:49:14.06 ID:ChjChSp20
彡(゚)(゚)「よっしゃ決めたで! ワイが援助したる!」
彡(゚)(゚)「報告書を作って送ってくれや」

彡(゚)(゚)「それと、何か悩んだでることはないか?」
彡(^)(^)「ワイがパパーッと解決したるで!」

(;´・ω・` )「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので……」
(´・ω・`)「特に希望はありません」

彡;(゚)(゚)「ファ!?大抵の奴は喜んで頷くんやで!」
(´・ω・`)「そうですか…」

32 : 2023/07/16(日) 12:49:55.72 ID:ChjChSp20
彡;(゚)(゚)「だったら…」
彡(゚)(゚)「せや!クビツェク、子供がおる言うとったやろ?」

(´・ω・`)「ええ、3人います」
彡(•)(•)「3人もか!」

彡(-)(-)「ええな……ワイには家族がおらん…」
彡(゚)(゚)「一人ぼっちや……」

(´・ω・`) .。oO(あれ?)
アドルフには長年付き合っている恋人がいるって週刊誌で……
でも、それはステファニーではない
彼女は別の人と結婚したはずだ
もしかしてまだステファニーを引きづっているなんてことはないよね?
それだと、あまりに交際相手が可哀そうだよ……

33 : 2023/07/16(日) 12:50:20.76 ID:L0laEMrR0
ゲッペルスのゲップレス
34 : 2023/07/16(日) 12:50:22.17 ID:ChjChSp20
彡(-)(-)「未来ある子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」
彡(゚)(゚)「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った」

彡(゚)(゚)「若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」
彡(•)(•)「だからクビチェクの子に援助させてくれや!」

彡(^)(^)「リンツのブルックナー学院に入れさせたるで」

僕は断った
でも、彼はそれでも食い下がった

彡;(゚)(゚)「頼むわ、それくらいはさせてくれや!」
彡;(゚)(゚)「他ならぬ、クビツェクの子や 遠慮するなや…」

彡(-)(-)「このとおりや」
(;´・ω・` )「えと…やはりそういう訳には…」

彡(•)(•)「頑固やな……まあ、ええ ちょっと待っとれ」

アドルフは立ち上がるとドアに向かって歩いて行った
そして偉そうな人( ´_ゝ`)を呼び寄せ何か話していた
きっと子供の援助についてだろう

(´・ω・`) .。oO(どっちが頑固なんだか……)

35 : 2023/07/16(日) 12:50:31.26 ID:w/to+6Ry0
誰も見てねえのにすげえな
お前のホームページでも作ってやれや
36 : 2023/07/16(日) 12:51:13.08 ID:ChjChSp20
僕とアドルフは気づけば一時間以上も話し込んでいた

( ´_ゝ`)「総統、そろそろ時間が……」
彡;(゚)(゚)「ファ!? もうこんな時間か!」

(´・ω・`) .。oO(あ、忘れてた!)
アドルフに手紙やスケッチを返さなくちゃ!

(´・ω・`)「そうでした! これを!」
彡(゚)(゚)「これは…ワイが贈った画材や絵葉書…」

彡(゚)(゚)「そして、ワイが設計した邸宅か………」
彡(゚)(゚)………

彡(゚)(゚)「クビツェク、これらはお前だけの物や…」
彡(゚)(゚)「これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」

彡(゚)(゚)「最近になってワイの作品は脚光を浴びるようになった」
彡(•)(•)「ワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホまで出る始末」

(´・ω・`)……

37 : 2023/07/16(日) 12:51:53.82 ID:ChjChSp20
彡(•)(•)「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを!」
彡(•)(•)「あのドアホ、ワイとほとんど喋ったこともない癖に…」

彡(•)(•)「ワイの伝記を書きよったんやで!!」

彡(゚)(゚)「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物が書くべきや」
彡(-)(-)「もし…そういう人物がいるとすれば……」

彡(゚)(゚)「それはお前や、クビツェク」

彡(゚)(゚)「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」
( ´_ゝ`)「はい総統」

(´・ω・`) .。oO(僕に伝記を…?)
嫌だよ面倒くさい

彼はヘスって言うんだ…落ち着いてていい人そうだな
……え、副総統って言わなかった?
もしかして僕はこの国のトップ二人と一緒にいるの?

(。゚ω゚) .。oO(はえー)

彡(゚)(゚)「ほなまた会おうな、クビツェク」

こうして会見は終了した
どうやって帰ったかまったく覚えていない

38 : 2023/07/16(日) 12:52:38.97 ID:ChjChSp20
あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった
アドルフの作品を狙う不良隊員や欲深な連中がよく家にきた
こういった輩にはこう言って追い返した

(´・ω・`)「それについてはヒトラー閣下と個人的に話したいと思います」
(´・ω・`)「ところであなたのお名前は?」

効果はてきめんだった、誰もがこの一言で黙って帰った

役所
(;;;゚Д゚;)「あの、この書類についてなんですが」
(´・ω・`)「はい…なんでしょうか…」

明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…

でも新たな知り合いもできた
副総統のヘス( ´_ゝ`)だ
彼は他の隊員や高官と違い
興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった

(´ᴖωᴖ`)「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」
( ´_ゝ`)「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ…実は…」

(´ᴖωᴖ`;)「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……!ははは……は…」

39 : 2023/07/16(日) 12:53:31.22 ID:ChjChSp20
ある日、アドルフから招待状が送られてきた
リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ!
その公演は見たい!見たい!!どうしても見たいと
夢に見ていた公演だった!
でも経済的な理由で…ってこんなことを言うのは無粋だよね

数日後 ヴァンフリート館

(´-ω-`) .。oO(とても素晴らしい演劇だった)
まるで魔法にかけられたようだった
美しい名曲、夢にまで見たワーグナーの息吹!
まさか夢が現実になるなんて…!
ありがとう!神様、仏様……アドルフ様!!
なんてね!

(´・ω・`) .。oO(でも……)
アドルフはいなかった……
彼は多忙だった
噂では、大きな戦争がまた始まるのではないかとさえ言われている……

( ;´-ω-` ) .。oO(……昔のように起きっこないなんてもう言えない)

40 : 2023/07/16(日) 12:54:26.16 ID:ChjChSp20
(´・ω・`)……
あーあ、夢は叶ったけど…なんだかな……

どんなに素晴らしい芸術もアドルフがいない溝を埋めることはできなかった
このまま残っていても不完全燃焼なもどかしい気持ちが積もるだけだ
家族のもとに帰ろう

(´・ω・`) .。oO(でも、どうなんだろう?)
アドルフがそばにいてもあの頃のように語れたのかな……

( ;´-ω-` ) .。oO(うーん…無理だろうなぁ)

41 : 2023/07/16(日) 12:54:54.62 ID:ChjChSp20
(´・ω・`)「今日はありがとうございます。とても素晴らしい演奏でした!」
( ´_ゝ`)「もう帰られるのですか?」

( ´_ゝ`)「あと一日いると、よいことがあるかもしれませんよ」
(´・ω・`)「へ?」

翌日
⊂(゚)(゚)ミ⊃三三3ブーンキキッー

彡(゚)(゚)/「待たせたなクビチェク!!」
アドルフは遠方からわざわざ飛行機に乗ってやってきた

彡;(゚)(゚)「すまん、時間がないんや!」

アドルフはボクの腕をつかむと歩き出した
彡(゚)(゚)っ(´・ω・`)「え…え?」 三三3

彡(●)(●)「お前らはええ 付いてくんなや!」

(;*■_■) (;⌐■_■) ;⌐■_■) ;⌐■_■)ザワザワザワ

ああ、皆、動揺しちゃって…なんというか…御愁傷様…

42 : 2023/07/16(日) 12:55:36.46 ID:ChjChSp20
アドルフは庭に通じるドアを開け、石段を下った
手入れの行き届いた小路を抜け、鉄柵のドアが開かれた

するとそこにはリヒャルト・ワーグナーの墓があった

(´・ω・`)人(゚)(゚)ミ
アドルフは僕の手を握った
彼の感動がひしひしと伝わってくる

彡(-)(-)「ワイらにとってここは最も神聖な場所や……」

彡(゚)(゚)「あの頃に語り合った夢がこうして叶って……」
彡(^)(^)「ワイは満足や!!」

ボクの隣には頬のこけた青白い大きく特徴的な目をした
あの頃のアドルフがいた

43 : 2023/07/16(日) 12:56:17.07 ID:L0laEMrR0
ウィーンの自動ドアが開いたウィーン
44 : 2023/07/16(日) 12:56:21.76 ID:ChjChSp20
その後、僕たちは劇場に向け歩き出した
だが、階段の所までくるとアドルフは止まった

(´・ω・`)??

彡(-)(-)「すまんな」
彡(゚)(゚)「ワイは他にやることがあるから一緒に見れへんのや…」

(´・ω・`; )「え…」
彡;(゚)(゚)「そんな顔すんなや……でもな…」

彡(゚)(゚)「若いワイらがあれだけ熱狂したワーグナーの劇や!」
彡(^)(^)「ちゃんと楽しむんやでクビチェク」

     ガシッ!
(´・ω・`)つ⊂(゚)(゚)ミ
アドルフは両手でボクの手をしっかり握りしめた

\(   )ミ
そして回れ右して、振り向かずに、少し早足で出口に向かおうとした

45 : 2023/07/16(日) 12:56:48.69 ID:ChjChSp20
(´・ω・`)「ア……」
彡(゚)(゚)「ん、なんや?」

(;´・ω・` )「あ、え、えーと…」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「もしかして戦争の……こと?」

彡(゚)(゚)「お!」
彡(^)(^)「せや お前も少しは政治に関心を持つようになったんやな!」

彡(゚)(゚)「クビツェク、お前も知っとるやろ」
彡(゚)(゚)「どれ程ワイに建設したいものがあるかを」

彡(●)(●)「戦争なんて糞や!」
彡(●)(●)「ワイの建築計画を邪魔しおってからに……」

彡(-)(-)「この戦争のせいで……」
彡(゚)(゚)「ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや」

彡(-)(-)「残念や」
彡(-)(-)「ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」

(´・ω・`)……

彡(゚)(゚)「闘争の日々が終わったら、ワイはお前を呼ぶ」
彡(゚)(゚)「そしたらまた……」

彡(^)(^)「芸術について語ろうや」
彡(^)(^)「お前はずっとワイのそばにおらなアカンのやからな!」

46 : 2023/07/16(日) 12:57:44.06 ID:ChjChSp20
ヴー
解放者リエンツィは高らかに宣言した
トランペットの響きが
長く鳴り響くのを聞いたら
起き上がって駆けつけるのだ
そのとき私は諸君に自由を宣言する

貴族マドリアーノが問う
リエンツィ、君は何をする気だ?
君は強大だ。言ってくれ、
権力をどこに向けて使う気なのだ?

リエンツィは答える
私はこの国を偉大で自由にする
……
私はそのために法を作りたいだけだ
その法に民衆も貴族も従うのだ!

民衆は狂喜する
彼こそ、我ら民衆のためにいるのだ
それゆえ、我らの言うこと聞いて、賛成してくれ
我らは彼の民衆、彼は我らの王だ!

リエンツィは叫んだ
私は王ではない!
だが、諸君らは私を守護者に選んだ
民衆に法を知らしめる守護者
諸君らの先祖に倣って
護民官と私は名乗ろう!

民衆は歓喜して答える
ハイル リエンツィ、我らの護民官!

47 : 2023/07/16(日) 12:58:23.21 ID:ChjChSp20
貴族ステファノは吐き捨てる
奴は民衆の偶像だ
民衆を欺瞞している

・・・

貴族に扇動された民衆がわめく
裏切り者!俺たちは奴に尽くした
奴の功名心のために、俺たちの血が犠牲になった
奴は俺たちを破滅に追い込んだ
復讐だ!

リエンツィは嘆く
……私が引き上げてやった民衆たちも
私を見捨てた
私の幸運に集まってきた友たちも
私を見捨てた……

貴族は嘲笑する
しょせん、愚かな暴徒どもだ!
リエンツィが奴らを騎士にしたのだ
リエンツィを奴らから奪えば、奴らは本来の群衆に戻る!

48 : 2023/07/16(日) 12:58:52.90 ID:E/HoAvqu0
>>1の引用のssは見たけど面白かった
イッチは微妙
49 : 2023/07/16(日) 12:58:53.93 ID:ChjChSp20
民衆は怒り狂う
集まれ!集まれ!急いでこっちに来い!
石を持って来い!たいまつを持って来い!
リエンツィは呪われた。奴は破門された!
奴は俺たちを裏切った!!

リエンツィは問いかける
言ってくれ、誰が諸君らを偉大で自由にしたか?
私が自由と平和を与えたとき
諸君らは私に歓喜して挨拶してくれたではないか
あの歓喜のことをもう思い出してくれないのか?
もう私の名を呼んではくれないのか?

誰もリエンツィに耳を傾けようとしない

……何ということだ!これが人間なのか?
人間とは、これほど惨めで無価値なのか?
私はお前たちを呪うぞ!
こんな世界は呪われ、破滅するがよい!
腐敗し、干からびた世界!
お前たちがそれを望んだのだ!

パチパチパチパチパチパチパチパチ

50 : 2023/07/16(日) 12:59:52.14 ID:ChjChSp20
彡(゚)(゚)/「ワイのすべてはここから始まったんや!」

(´・ω・`)「…うん、初めてリンツでこの劇を見た時も……」
(´・ω・`)「君はそう叫んだよね」

(。゚ω゚)「え!?アドルフ?」

慌てて横を振り向くと怪訝そうな顔をした老年の紳士が
(◦灬⦿)ジトォーと僕のことを凝視していた

(;´・ω・` ) .。oO(あれ?この人…)
どこかで見たことがあるような気が……

(◦灬¯)「ゴホン!」
(;´・ω・` )「す、すみません!」

(;´・ω・` )「あまりに感銘を受けてしまってその一人ごとを……」
(;´・ω・` )「……本当にすみません」

なんだ空耳か…

51 : 2023/07/16(日) 13:00:38.64 ID:ChjChSp20
演目がすべて終わり僕は見送りの最前列に立っていた
眼の前には黒光りのベンツがゆっくり通りすぎようとしている
こんな車に乗れるのは要人に決まっている
そしてそれがアドルフ・ヒトラーだと誰でも知っている
誰もが歓声を上げて彼を送り出そうとしていた

僕も皆と同じように手を振った
すると、アドルフがきづいたようだ
運転手に何か合図をだしている

52 : 2023/07/16(日) 13:01:06.51 ID:ChjChSp20
キキッ
車が止まった

ウィーン
窓が開いた

彡(^)(^)つスッ
微笑んだアドルフが握手を求めてきた

       つ⊂

彡(^)(^)「ほななクビチェク、また!」
(´・ω・`) .。oO(うん、またね アドルフ)

      つ  ⊂

ウィーン
窓が閉まった

53 : 2023/07/16(日) 13:02:31.97 ID:ChjChSp20
一九三九年 第二次世界大戦勃発
一九四〇年 ドイツ・イタリア・日本三国同盟締結
一九四一年 ドイツ ソ連に宣戦布告
一九四三年 スターリングラードの戦い ドイツ敗北
一九四四年 連合国軍 ドイツに侵攻

一九四五年 アドルフ・ヒトラー自殺
         彡(゚)(゚)
         ┏┛墓┗┓
       
       第二次世界大戦終結

54 : 2023/07/16(日) 13:04:02.26 ID:ChjChSp20
終戦後、僕はアドルフ・ヒトラーの関係者として逮捕された

「あなたはヒトラーから何かもらいましたか?」
(´・ω・`)「いいえ」

「何も?」
(´・ω・`)「はい」

「お金も?」
(´・ω・`)「はい」

「食糧などは?」
(´・ω・`)「もらってません」

「車は?家は?」
(´・ω・`)「もらってません」

「美女を紹介されたりは?」
(`・ω・´)「ありえません」

55 : 2023/07/16(日) 13:04:49.43 ID:ChjChSp20
「何かに招待されたことは?」
(´・ω・`)「ワーグナーの祝賀劇に招待されました」

「ヒトラーはあなたを歓迎しましたか?」
(´・ω・`)「はい」

「よく会いましたか?」
(´・ω・`)「ほんの数回です」

「どうやって彼に会ったのですか?」
(´・ω・`)「僕から会いに行きました」

「その時、ヒトラーはあなたのそばにいましたか?」
(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」

「二人だけで?」
(´・ω・`)「二人だけです」

「警護もなしで?」
(´・ω・`)「警護もなしです」

「それならあなたはヒトラーを56すこともできたでしょう?」
(;´・ω・` )「…はい、できたと思います」

56 : 2023/07/16(日) 13:05:45.43 ID:ChjChSp20
「最後にひとつ聞きます」

ではなぜ、あなたはヒトラーを殺さなかったのですか?
彼を殺していれば…あなたは英雄になれたのに

それは…

僕とアドルフは友人だから
でも…こんなこと言えるわけがない……
彼は戦勝国の人々から
そして……
あんなに熱狂していた国民からも
史上最悪の独裁者と称される極悪人となっていた

そんな男を友だなどと口が裂けても言えるはずがない

………
………
……でも

57 : 2023/07/16(日) 13:06:31.34 ID:ChjChSp20
あの時、いやあの時、それともあの時
それとも……あの時

アドルフにちゃんと向き合っていたら
アドルフに君は間違っているって言えたなら
激怒するアドルフに言い返してたら
そしてとことんアドルフと言い争ってたら

どうなってたんだろう…

二人がおじいちゃんになっても一緒に劇場に足を運んでいたのかな?
そして芸術について語り合うんだ!
ボクが聞き役でアドルフが話す役なのはきっと変わらないんだろうけど

……

58 : 2023/07/16(日) 13:07:25.70 ID:ChjChSp20
まあでも、そんなことできるわけないんだけどね
言えるわけないじゃん!
だって、あのアドルフ・ヒトラーにだよ!!

だから何を思ったって
過去は変わらないし、未来も変えられない
彼が許されない罪を犯したことも変わらないし、変えられない

……

でも……
ボクとアドルフが友達だってことも変わらないし、変えられない

それに……アドルフと比べたら目の前にいるこいつなんて

全然、怖くない!

だからアドルフには言えなかったけど
今ならはっきりと言える

(´・ω・`)「そんなの決まってるだろ」
(´・ω・`)「ヒトラーはボクの友達だからさ」

59 : 2023/07/16(日) 13:07:55.97 ID:ChjChSp20
わが友ヒトラー 完
60 : 2023/07/16(日) 13:09:53.70 ID:L0laEMrR0
ワグ寝る?寝ない?
チェンバレンに遅延バレん
61 : 2023/07/16(日) 13:10:22.55 ID:L0laEMrR0
アイヒマンあ、今暇?
62 : 2023/07/16(日) 13:11:00.26 ID:L0laEMrR0
ズデーテン割譲にスノーデン発情
63 : 2023/07/16(日) 13:12:23.39 ID:L0laEMrR0
エヴァブラウンえばるんじゃない!
64 : 2023/07/16(日) 13:14:07.98 ID:L0laEMrR0
ヒムラーが村を焼き討ちに!
火村ー
65 : 2023/07/16(日) 13:15:28.23 ID:L0laEMrR0
ゲーリングはベーリング海から挟み撃ちを工作した
66 : 2023/07/16(日) 13:16:30.09 ID:L0laEMrR0
ゲシュタポで水責めされて腹タポタポ
67 : 2023/07/16(日) 13:17:01.81 ID:L0laEMrR0
カイテルがこの小説カイテル
68 : 2023/07/16(日) 13:17:30.82 ID:L0laEMrR0
ヘスの屁っスw
71 : 2023/07/16(日) 13:20:04.82 ID:L0laEMrR0
クビチェクのクビチェック

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