チュニジア「いやあああ！アフリカの土人たちが移民にやってくるのおおお！！」→排斥拡大へ…

密航船で欧州を目指すアフリカ大陸内陸部からの不法移民が、北アフリカのチュニジアの港町に集まるようになり、住民が反発を強めている。

　殺人事件も発生し、拘束された移民がリビア国境へ追放されるなど人道問題に発展している。

　◇イタリアへ
　港町はチュニジア第2の都市スファクス。イタリアのランペドゥーザ島からわずか130キロの距離で、欧州連合（EU）域内に入り込みたい一心の不法移民が集まる。

　スファクスでは4日、増え続ける移民の排斥を訴える住民数百人が街頭に繰り出す騒ぎが起きた。道路にバリケードを築いたり、車のタイヤを燃やしたりするなどして抗議。警察も移民を家から追い出し、群衆が移民に罵声を浴びせる中、警察車両へと追い立てた。人権団体によれば、拘束された移民は、300キロ以上離れたリビアとの国境地帯まで連行された。

　地元病院の医療関係者はフェイスブックで「非人道的な、人を震撼（しんかん）させる血にまみれた夜だった」と振り返った。女性や子供を含む30～40人の移民を治療したが、バルコニーから突き落とされたり、刃物で傷つけられたりした人がいたという。

　◇定住許さず
　発端は、3日にチュニジア人男性（41）が移民と口論になり、刺殺された事件だ。カメルーン移民3人が拘束され、男性の葬儀参列者は「報復する」と宣言していた。

　移民の心中は穏やかではない。コンゴ人の男性ジョナサン・チャモウさんは「スファクスに残るのは怖い。どんな手を使っても町を離れる」と話した。駅にはスファクス脱出を図る移民が殺到し、倒れた移民が棒を持った群衆に囲まれる様子が撮影されネット上で出回っている。

　人口1200万人のチュニジアには、アフリカの他地域からの移民約2万1000人が滞在中と推計される。移民の渡航を食い止めてほしいEUはチュニジアの移民対策に資金提供している。

　チュニジアのサイード大統領は4日、内務省に乗り込み「法を順守しないやからが国内に滞在することも（チュニジアを）欧州への経由地にすることも、そしてアフリカの人々の再定住地にすることも絶対に許さない」と強調した。

　世論への影響力が強いチュニジア労働総同盟（UGTT）は、政府の対応について「地中海の警察の役割を果たそうとして、密航船を捕らえてはスファクスに移送してきた」結果だと批判。一方で、スファクスを「イタリアやEUの望み通り、移民の定住地にしてはならない」と訴え、サイード政権とEU双方への不信感を示している。

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