日本「助けて!先進国で人権DD法が整備されてしまったの!人権侵害でつくった日本製品はもう売れないかもなの!」

出遅れる日本

　政府がここまで大規模な調査に踏み切った背景には、企業のサプライチェーンと人権をめぐる日本の法整備の遅れがある。企業に強制労働などの人権侵害の排除を義務付ける、いわゆる「人権デューデリジェンス法」は海外で制定が進む。経済産業省によると、英国、フランス、オーストラリア、米カリフォルニア州で既に導入済み。欧州連合（ＥＵ）、ドイツ、オランダ、カナダでも制定作業が進んでおり、「Ｇ７で関連法令がないのは日本のみ」（幹部）の状況だ。

　ドイツが２０２３年施行予定の「サプライチェーン法」の場合、独国内企業だけではなく、その取引先にも人権デューデリジェンスの実施と開示を義務付ける。これが厳格に運用されれば、例えば独自動車メーカーにパーツを納入している日本の部品メーカーに対しても、同様の措置が求められることになる。万が一、サプライチェーン上での人権侵害がないと証明できなかった場合、今後の取引を打ち切られる恐れが出てくる。

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