【外国人観光客】ジャップ政府「今年の1-6月の来日数は1778万人で過去最高だった　2030年には年6000万人を目指す」

　　これまで最多だった新型コロナウイルス禍前の2019年同期の1663万人を大きく上回った。６月単月も過去最高の314万人で、台湾や米国からの観光者は単月として過去最高だった。同日発表された４－６月の消費額は19年同期比約７割増の２兆1370億円だった。

　　政府は30年に訪日外客数で6000万人を目指すとしている。１－６月の水準が今後も続けば、24年中にこの目標の半分は超える公算だ。

　　旺盛な需要をさらに取り込もうとする動きもある。政府が訪日客の入国手続き時間を短くするための制度を導入する方針だと、ＮＨＫが19日朝に報じた。

　　ただ人数が増えるほど、オーバーツーリズムの課題も深刻になる。23年に8000万人超の外国人観光客が訪れたスペインでは、７月はじめバルセロナの住民が観光客に水鉄砲を浴びせる抗議運動が起きた。

　　岸田文雄首相は同日の観光立国推進閣僚会議で、30年の目標水準も視野に入る状況を踏まえ、地方への誘客促進とオーバーツーリズムの未然防止・抑制に取り組むことが重要と述べた。

　　航空燃料不足の問題について触れ、直ちに対策を講じるよう求めたほか、　オーバーツーリズムの未然防止に向けたモデル地域に香川県の小豆島や沖縄県の那覇なども加えて対策を講じつつ、年内に指針をとりまとめるよう伝えた。

　　高級ホテルなどを手掛ける森トラストの伊達美和子社長は、オーバーツーリズムに関して、対策のための財源の確保が重要で、宿泊税の導入や、観光施設の価格設定の見直しが持続可能性につながるだろうとみる。

　　ＡＮＡホールディングス傘下の全日本空輸（ＡＮＡ）の井上慎一社長は19日の会見で、航空燃料の供給不足について、観光立国の実現のためにも政府が安定的な供給体制を構築するよう切望していると述べた。現時点では航空燃料不足でＡＮＡ便に欠航は発生していないという。