NVIDIA、日本にAI研究拠点設置へ「日本には技術的知見や産業能力が揃ってる」

米エヌビディア、日本に研究拠点設置へ　AI人材育成も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0543H0V01C23A2000000/

米半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者（CEO）は5日、日本に人工知能（AI）関連の研究開発拠点を設ける考えを明らかにした。大学や研究機関との連携を視野に入れる。同社の協力は国産の生成AI開発の後押しにつながる。

ファン氏が西村康稔経済産業相と経産省で会談し、意向を示した。ファン氏は設置の理由について「日本は独自のAIを作るための技術的な知見や産業能力がそろっている」と語った。

ファン氏は具体的な設置時期や場所には言及しなかった。西村経産相によると、研究拠点の候補に同省所管の産業技術総合研究所を挙げると、ファン氏は前向きに検討する意向を示したという。

産総研は生成AIの基盤となる大規模言語モデル（LLM）の研究が進み、保有するスーパーコンピューターにはエヌビディアのGPUを使っている。

ファン氏は会談で研究拠点、スタートアップ、AI人材育成の「3分野で日本に投資したい」と語った。世界で需要が高まり、在庫が逼迫するGPUについてはソフトバンクやさくらインターネット向けに安定的に供給する認識を示した。

経産省は2027年度末までに、AI開発に向けて国内の計算能力を足元の20～30倍に引き上げる目標を掲げる。23年度の補正予算でも1800億円を計上した。企業のスパコン整備や生成AI開発に補助金を出す予定にしている。