【画像】イスラエル｢見ろ！ガザの病院地下の壁にテロリストが人質を見張る当番表があったぞ！｣⇐ただの手書きカレンダーでした

パレスチナ自治区ガザを侵攻するイスラエル軍は11月13日（現地時間）、同地区北部の「ランティシ病院につながるトンネルを見つけ、
イスラム組織ハマスが人質を閉じ込めていた証拠を発見した」と複数の動画や静止画像などをツイートした。

13日の投稿には、ハガリ報道官がランティシ病院を訪れた動画が添付されていた。

ハガリ氏はイスラエル海軍少将。イスラエル軍全体を代表する報道官として英語やヘブライ語で頻繁に声明を発表したり、記者会見したりしている。

ハガリ報道官は動画の中で、タイルに貼られたカレンダーのような紙を指さし、「『我々はイスラエルに対する作戦中である』と書いてある。
これは全てのテロリストが自分の名前を書いている見張りリスト（guardian list）だ。テロリストたちがここにいた人たちを見張るためのシフト（当番）表だ」と発言している。

つまり、ガザのランティシ病院の地下では、イスラエル側の人質がハマスによって監禁されていた形跡があり、
その証拠としてハマスの「見張りリスト」の紙が残っていたというのが、ハガリ報道官とイスラエル軍の主張だ。

しかし、アラビア語話者に確認したところ、映像にあった壁の張り紙には「日付と曜日」が書かれてあるだけだという。

その中にだれか名前が書いてあるわけではなく、衝突が激化してからの日々を書いた手製のカレンダーのようにみえる。

イスラエル軍にはアラビア語ができる兵士や将校は珍しくなく、アラビア語での広報活動を日常的に行っている。
この紙に書いてあるアラビア語は平易で、イスラエル軍が組織として分析し間違えることは考えにくい。

つまり、ハガリ報道官の、これを「テロリストたちの見張りシフト表」とする内容の発言は、
事実ではないと知りながら、虚偽の内容を発表して政治的効果を狙った「プロパガンダ」の可能性がある。