ジェンダー論教授「女子校は女性をエンパワーメントさせる役割があるが、男子校は日本の男性優位社会を強化する場になっている」

埼玉県男女参画委、県立高の共学化求め勧告　22年に苦情受け調査
https://news.yahoo.co.jp/articles/1eaf780d2e92370aea581e00e5d055cab2b024a3

　埼玉県立高校の男女別学校をめぐり、県男女共同参画苦情処理委員は県教育長に対し、女子差別撤廃条約で共学が奨励されているとして、「共学化を早期に実現すべきだ」と勧告した。
日吉亨教育長は14日の記者会見で、「関係する人の意見を丁寧に聞き、今後の方向性を検討する。男女共同参画については、全ての高校で、男女平等意識を高める視点で教育活動を進めるよう指導している」と述べた。県教委は2024年8月までに同委員に報告書を出す。

◇瀬山紀子・埼玉大准教授（ジェンダー論）

　勧告は、管理職の男女比に焦点を当てた問題提起で、説得力を感じた。
公立学校に今なお別学があることは基本的に課題と考える。

ただ、女性のエンパワーメントという側面から、女子校には現在も一定の役割があると言える。
女性がロールモデルをみつけ、ジェンダー不平等に抗していく力を得られる。

一方、男子校は、日本社会でいまだ課題の男性優位社会を強化する場になっている懸念がある。
女性管理職がいない学校で高校時代を過ごせば、多様なリーダーを当たり前と考えられなくなるのではないか。

教育内容はもちろん、働く場としての学校の男女共同参画も進める必要がある。
管理職の男女比は手始めに変えられるはずだ。生徒もすでに、多様性のある学校を望んでいるのではないか。