IT後進国ジャップランド、当然のごとく国防サイバー人材が足りない模様 ケンモメンの出番か

「国防人材」が足りない　サイバー領域、世界に後れ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA21E3Y0R21C22A2000000/

いまの自衛隊には1万6千人超が足りない。陸海空各自衛隊で法律上の定員は25万人でも、実際に勤務するのは2022年3月末時点で23万人にとどまる。余力ある設定のためこれまで100%に達したことはないものの、「充足率93.4%」という数字にこの10年で改善は見られない。

階級別にみると下位の「士」で充足率が最も低く人手は2割不足する。幹部を養成する防衛大学校でも21年度卒業生の72人が自衛官になるのを辞退した。辞退者は過去2番目の多さだった。
36年後、18～32歳は3割減る

自衛隊に入ることができるのは18～32歳で、この年齢層の男女は22年度に1800万人ほどだった。少子化の流れはただでさえ定着しこれから加速もする。36年後の58年度にはおよそ1200万人まで減ると見込まれ、国防人材の母数自体が限られていく。

ここでも需給でギャップが生じる懸念が拭えない。サイバーセキュリティー資格を国際的に運用する非営利団体の調査によると、日本のサイバー人材は現時点でも官民あわせておよそ5万6千人が不足している。
「中」の育成だけでしのげるか

防衛省・自衛隊はまずは中での育成に力を注ぐ。

防衛大は「サイバー学科」を新設する検討に入った。28年度にも専攻する幹部候補生を教育できるようにする。陸上自衛隊も内部の教育機関「通信学校」を23年度から「陸自システム通信・サイバー学校」に衣替えする。

サイバーセキュリティーに詳しい慶大の手塚悟教授はこれらの施策だけでは不十分だと説く。「ネットワークの脆弱性解析などは民間企業のほうがはるかに能力がある。内部人材だけでなく民の人材を取り込んでいかなければ国は守れない」と指摘する。

米国はサイバー能力の底上げを目的に大学で教育制度を取り入れた。サイバーセキュリティーを専門的に学ぶ「NCAE-Cプログラム」で300校以上をすでに認定した。

韓国も27年までに「ソフトウエア特化大学」として100校を指定すると宣言。他の施策とあわせデジタル人材を100万人にするとうたう。NATOも教育・訓練施設の一つに「NATO通信情報学校」を持ち、教育の場の垣根を軍と民で低くした。

ロシアによるウクライナ侵攻は世界の安保の地図と戦術を一変させた。サイバー攻撃をはじめ情報戦までの目配りを欠けば戦況は劣勢を強いられかねない。危機や脅威の正体を丁寧に分析し、具体策を講じる国・地域がある。