市立中学校の隣に私立中学校を誘致　「親の経済力・教育格差が浮き彫りになる」と保護者・市民から反対論

市立中の隣に私立中誘致、「経済力・教育格差が浮き彫りに」と保護者ら反対
2022/02/05 12:04

　子育て世代の流入で小中学生が急増する千葉県流山市で、市が買収する大学の跡地に市立南流山中学校を移設する計画が進んでいる。ところが、大学跡地の残り半分を私立の暁星国際学園（木更津市）の中学校に貸す計画が浮上。保護者や市民らは「隣同士では親の経済力や教育の格差が浮き彫りになる」「私立中誘致の経過に疑問」と問題視し、私立中の誘致見直しを求めて署名活動を始めた。（木村透）

　流山市は、つくばエクスプレス（ＴＸ）の南流山駅周辺で人口が急増し、市立南流山小学校の教室不足が見込まれる。このため、市は、同小に隣接する南流山中学校を東洋学園大流山キャンパス跡地に移設し、中学校跡に南流山第二小学校を開校することにした。

　同大流山キャンパスは２０１６年４月に東京都文京区のキャンパスに統合された。これを受け、市は約５ヘクタールの敷地と校舎や体育館を一括して約４０億円で買収することを決定した。

　保護者らを対象にした昨年１２月の説明会で、市はこの敷地の南側約３ヘクタールに南流山中を移設し、２６学級で２４年４月に開校するとした。プールや駐輪場を新設し、トイレや照明は更新する。

　一方、残りの２ヘクタールの敷地にも校舎、体育館など３棟とグラウンドがあり、流山市内で小学校と幼稚園を運営する暁星国際学園の中学校用地として貸す計画が浮上している。井崎義治市長は２０年９月議会で「有償で借用したいとの申し入れがあり、有効利用策として検討する」と明らかにした。

　この２ヘクタールの敷地と建物の買収費は１３億４０００万円で、市は年５８００万円で貸せば２４年で回収できると試算している。暁星国際学園は、取材に応じなかった。

　南流山中の保護者らは、同じ敷地に公立と私立中が隣り合うことについて、「制服や給食、学費、教育方針が違う公立と私立が隣り合うのは問題」としている。さらに２７年には３３学級に増えると見込まれることから「移設してもまた狭くなる。全体を使えば広々する」と主張する。市が買収する敷地と建物を私立中に貸すことについて、市民から「貸すのではなく購入してもらうべきだ」との意見も出ている。

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https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20220205-OYT1T50110/

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