米国、NGO資産は14兆ドル規模に膨張、非課税のまま巨大経済力と政治影響力を持つため、制度見直しが必要

米連邦準備制度の金融統計を基にすると、2025年第二四半期時点で米国のNGO（非営利団体）が保有する資産は約14.12兆ドルに達し、日本、ドイツ、インドの2025年GDP合計を約5％上回る規模だとされています。多くの人がNGOを炊き出しや介助犬の団体のようにイメージしますが、税制はいまだにその古い前提のままです。
問題は慈善活動そのものではなく、本来は小規模な慈善団体向けに作られた非営利の法的枠組みが、大学、病院チェーン、巨大財団、政策提言団体など、ウォール街並みの資産を持つ組織まで覆っている点にあります。もし同規模の資産を持つ企業であれば、厳格な情報開示、規制、課税を受けますし、国家規模の権力であれば選挙や公法の統制を受けます。
しかしNGO部門は、非公開、非課税でありながら、政党に属さず政治活動を行える「特別な位置」にあります。例えば、向かい合う二つの病院が同じ料金を請求しても、営利病院は法人税を払い、非営利病院は免除されることがあります。その差は消えるのではなく、患者、納税者、競合に転嫁されます。
さらに、501(c)(3)と501(c)(4)を組み合わせ、訴訟、政策提言、圧力活動に資金を流す政治的装置として機能している例もあると指摘され、ジョージ・ソロスとその財団は、税制優遇資金による長期的政治影響の一例として挙げられています。解決策としては、市民社会を壊すのではなく、直接支援型の慈善は守りつつ、事業的収入への課税、巨大基金の規制強化、継続的政治活動への免税撤回など、ルールの更新が必要だとしています。
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