高市「次回選挙争点は台湾有事よ！！」自民立憲公明維新国民「やめろーー！！」これが現実になりそうな件

人気の近衛、指導力欠く 第一章日中戦争 検証 戦争責任
近衛文麿が衆望をになって初めて政権の座に就いたのは一九三七年（昭和十二年）六月四日、日中戦争勃発の一か月前のことである。五摂家筆頭という名門の出自と四十五歳の若さは、満州事変以降、軍部台頭に伴って混迷を続ける政治を打開してくれそうな予感を世間に与えた。
しかし、結論を急げば、この高い人気を集めたリーダーは、それ以降三次にわたる内閣を率いながら、こうした期待を裏切る結果に終わるのである。

近衛文麿の評価 人気を集めた理由と期待を裏切る指導力 : 読売新聞

【読売新聞　検証戦争責任】近衛文麿が衆望をになって初めて政権の座に就いたのは一九三七年（昭和十二年）六月四日、日中戦争勃発の一か月前のことである。五摂家筆頭という名門の出自と四十五歳の若さは、軍部台頭に伴って混迷を続ける政治を打開してくれそうな予感を世間に与えた。

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近衛について考える時、まず触れねばならないのは、近衛の論文「英米本位の平和主義を排す」（雑誌『日本及日本人』一九一八年十二月）だ。この中で、近衛は、世界を英米の「現状維持」勢力とドイツなど後発の「現状打破」勢力に色分けし、「英米の平和主義は現状維持を便利とするものが唱える事なかれ主義にして何ら正義人道と関係なきもの」と、敗戦国ドイツに強い同情を示した。

そして、英国では植民地の門戸を他国に対して閉鎖しようという議論が起きていると指摘。もしそうなれば、我が国も自己生存のため、「現状打破の挙に出ざるを得ざるに至らしむ」と書いていた。

盧溝橋事件（三七年七月）を受けて近衛内閣は、閣議で派兵を決定した。近衛はのちに、「内閣はもちろん陸軍もまた、不拡大方針を標榜(ひょうぼう)したのであるが、こと志とちがい拡大の一途をたどった」と振り返っている。とくに近衛は、こうして「不拡大」が「拡大」に発展してしまうのは、陸軍統制派に責任があり、その契機は二・二六事件の皇道派の追放にあると信じていた（矢部貞治『近衛文麿』光人社ＮＦ文庫）。

一方、外務省内では、東亜局長石射猪太郎(いしいいたろう)らが派兵に反対していた。だが、広田外相は、石射の進言をいれずに、「万一に備えてという、その程度なら良かろうと同意」してしまう。近衛も広田も、積極論の陸軍省に引きずられていた。

ただ、近衛は、強硬論に同調していたわけではなく、蒋介石とのトップ交渉を考えていた。戦争不拡大に腐心する石原莞爾参謀本部作戦部長の言葉を聞き入れて、自ら南京を訪問し、蒋介石と直接交渉する計画だった。近衛は、「一命を賭けてすぐにでも行こう」と決意したが、日本の現地軍を抑えきれない恐れもあって中止した。