「今だけ、カネだけ、自分だけ」和歌山県隊友会会長が一度は自民党を見限った理由

https://www.asahi.com/sp/articles/ASTCG3GDBTCGUTFK01BM.html
オーナーは「和歌山県隊友会」の木下晴夫会長（75）。航空自衛隊を定年退職し、しばらくして自民党に入党。それから10年以上が経ったという。

「公益社団法人　隊友会」のホームページには、元自衛隊員らを中心に、賛助会員を含め20万人超で構成すると記されている。木下氏はその和歌山県組織のトップだ。

11月4日昼、店を訪ねた。「保守王国」とされる和歌山で、自民支持層の隊友会であれば、自民の今を尋ねるにはうってつけと考えたからだ。

ところが、木下氏が開口一番に放った言葉は、予想を裏切るものだった。「今までは自民党やった。今まではな」

（中略）むしろこの間に注目されたのは派閥の裏金問題だった。コロナ不況が直撃した飲食店の経営者としては、自民の政治姿勢に不満を抑えられなかった。

「自民は『今だけ、カネだけ、自分だけ』だ」。木下氏は、地方創生の成功の秘訣（ひけつ）として石破氏が繰り返す「今だけ、ここだけ、あなただけ」をもじって突き放した。

「高市さんなら…」
だが、ここにきて自民に変化が生じた。10月4日、前回は敗れた高市氏が総裁の座を射止めた。店で開票を見守っていた木下氏は、「安倍さんと考え方が近い高市さんなら、日本の政治が変わる」と期待を高めたことを覚えている。