高市早苗、7月時点で自身で述べていたトランプ関税の懸念点を何も解決できていないことが判明…

## 📝 【米国関税】日米協議の合意内容と日本が留意すべき点（高市早苗氏解説要約）

高市早苗氏は、2025年7月23日に合意された米国による関税措置に関する日米協議について、その概要を説明しつつ、「手放しで喜べる内容ではない」「長く長く続く交渉」であるとの認識を示しました。

### 1. 関税措置の現状と懸念点

* **総合関税の導入と税率：**
* トランプ政権下で導入された「総合関税」により、交渉がなければ$25\%$になる可能性があった関税率が、**$15\%$**に落ち着きました。
* しかし、これまで$7.5\%$（織物）や$6.7\%$（光ファイバー）など$15\%$未満だった品目も$15\%$に引き上げられるため、必ずしも日本にとって利益ばかりではありません。
* **自動車・自動車部品の関税：**
* $25\%$とされていた関税率が**$15\%$**になりましたが、元々のWTO協定税率は$2.5\%$でした。
* 高市氏は、協定税率を大幅に上回る$15\%$は「**WTO協定違反であり、GATT2条にも違反する措置**」であると強く指摘しています。
* **関税率の不確実性：**
* 今回の合意は**大統領令**で措置が取られるものであり、合意文書として固まっていません。さらに、イエレン財務長官が**四半期ごとに進捗をチェックし、関税率が変わる可能性**に言及したため、不確実性は残ると懸念しています。

### 2. 経済安全保障とサプライチェーン構築の懸念

* **米国内サプライチェーンの構築：**
* 日米は、半導体、医薬品、自動車など経済安保上重要な9分野について、日本企業による米国への投資を通じて、強靭なサプライチェーンを**米国内**に構築することで合意しました。
* **日本の財政負担と利益配分：**
* この投資（最大$5,500$億ドル規模）には、国際協力銀行（JICA）などの**政府系金融機関による出資や融資**が活用され、**真水の財政負担が生じる可能性**があります。
* さらに、日米の利益配分の割合が**$1$対$9$**と日本にとって不利であり、「とてもお得な話ではない」としています。
* **国内産業への影響：**
* 日本の雇用や設備投資を支える重要分野（自動車、半導体など）のサプライチェーンを米国に頼りすぎると、「**日本の経産安保上も影響が出てくる**」と懸念し、国内産業の空洞化を防ぐ必要性を訴えています。

### 3. 貿易拡大（対米農産品等の購入）

* **購入品目：**
* 日本は、バイオエタノール、大豆、トウモロコシ、肥料などの**米国農産品**や、半導体、航空機などの米国製品の購入を拡大することで約束しました。
* 特に、米の調達枠（ミニマム・アクセス）内で、アメリカ産米の購入を従来の約$35$万トンから**$76.7$万トン**へと増やすことになります。

### 4. 日本が今取るべき対応

高市氏は、交渉が長く続くことを前提に、日本が推進すべき政策を提言しています。

1. **経済外交の強化：** 米国以外の**販路開拓**に力を入れ、国際的な連携体制を強化する。
2. **国内産業の保護・育成：** 米国の交渉目的が自国の製造業や農畜産業の保護であるのに対し、日本も「**日本の製造業を守り、農林水産業をしっかりと守って強くしていく**」という共通の目的を持つべき。特に**食料安全保障**の確立が重要。
3. **国内サプライチェーンの強化：** 経済安保上の重要サプライチェーンをアメリカに構築すると同時に、**日本国内にもしっかり構築**しておく必要がある。

高市氏は、今回の合意を「大喜びをしていていい状況ではない」とし、継続的な注視と能動的な国内・外交政策の必要性を強調して締めくくっています。

【米国関税】日本が留意すべき点

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