総裁候補5人「聖地」秋葉原で演説するも盛り上がらず…いったい安倍晋三と何が違うんだ

「ここ秋葉原は、安倍元首相が何度も何度も演説されたゆかりの場所だ」

候補者5人のうち唯一、安倍氏の名前を叫んだのは最後に演説した小泉進次郎農林水産相だった。小泉氏は、安倍氏が最も力を入れた政策の一つに日本経済の再生を上げ、「私が一番力を入れる政策は、インフレ対応型の経済運営に日本を持っていくことだ」と語った。

過去の総裁選で安倍氏から支援を受けた高市早苗前経済安全保障担当相は「今こそ責任ある積極財政で危機管理投資を行い、経済成長を目指す」と訴えた。安倍氏が安全保障をはじめとした保守政策を重視しつつ積極財政を掲げて幅広い支持を集めたことを意識したとみられる。

一方、林芳正官房長官は谷垣禎一元総裁に言及。「野党時代の谷垣総裁のように、聞く力をもう一度」と強調し、デジタル技術を活用し国民に声を広く集めて政策に生かす考えを示した。

「保守のホープ」との声もある小林鷹之元経済安保担当相は安倍氏が腐心した北朝鮮による拉致問題の解決に触れ、「拉致被害者全員の即時帰国の実現に向けて私は先頭に立つ」と語気を強めた。

安倍政権時代に要職を歴任した茂木敏充前幹事長は「党や政府でさまざまな経験をさせていただいた。私の全てをこの国にささげたい」と語り、物価高対策や賃上げの必要性などを唱えた。（永井大輔）