彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」

サムネイル
1 : 2024/05/11(土) 13:17:18.15 ID:16zf69sG0
規制くらったからこっちで書いていくで
2 : 2024/05/11(土) 13:18:25.39 ID:16zf69sG0
(´・ω・`)「ボク、もう帰るね」
彡(゚)(゚)「なに言っとるんや、今が一番、大切なところやぞ」

(´・ω・`)「でも、ボクには彼らが何を言っているのか……」
(´・ω・`)「さっぱり分からないんだ」

彡(゚)(゚)「議会の内容なんかどうでもいい」
彡(゚)(゚)「知ろうとするだけ無駄や」

(;´・ω・` )「えぇ…。だったら何のためにここにいるんだい?」
彡(゚)(゚)「政治の技を見るためや」

(´・ω・`)「政治の技?」
彡(゚)(゚)「あの演説家がしとる議会妨害がそれや」

(´・ω・`)「え?議会を妨害しているのは周りの議員たちだろ?」
彡(゚)(゚)「ちゃう、あの演説は時間いっぱい喋り通して……」

彡(゚)(゚)「他の議員に発言の機会を与えないことが目的なんや」
彡(゚)(゚)「だから周りの議員は怒って騒いどるんや」

(´・ω・`)「そんなことしてどうなるんだい?」
彡(゚)(゚)「時間切れで反論させなくする」

彡(゚)(゚)「これが政治の技や」

3 : 2024/05/11(土) 13:18:53.58 ID:16zf69sG0
(;´・ω・` ) .。oO(いったいアドルフは何を言っているんだろう……)
そんな姑息な手段になにを学ぶことがあるのか
ボクには無意味な時間の浪費としか思えない

(;´・ω・` ) .。oO(でも……ボクが間違っているのかな?)
なにせボクは政治のことがさっぱりだし……

その後も、アドルフは全神経を集中させ
理解不能な演説をじっと見つめていた

4 : 2024/05/11(土) 13:19:00.54 ID:0DIPD9fS0
やきう民のAAに何か解説させたり偉人にさせたりする奴ってほとんどつまらんよな
こういう奴らがゆっくり解説とか好んで見てるんだろうな
5 : 2024/05/11(土) 13:19:31.05 ID:0DIPD9fS0
セリフが臭いんだよ
6 : 2024/05/11(土) 13:19:35.26 ID:16zf69sG0
(´・ω・`)「おばさん アドルフはなんで政治に興味を?」

クララおばさんは語った
「血かしらね。 亡くなったお父さんも政治談義が好きだったから」
「いつも居酒屋で熱く政治を語って、煙たがられてたみたいだけど」
「アドルフに直接言ってる所は見たことがないから」
「なんだかんだ言っても親子なのねあの二人は」
「でも、最近の若い子はみんな自分をドイツ人だと思いたいみたいよ」

(*^◯^*)「クビツェク君はどうなの?」

( ´-ω-` )「うーん」
(´・ω・`)「分からないです」

7 : 2024/05/11(土) 13:20:47.74 ID:16zf69sG0
(ꐦ`•ω•´)「うるさいな!」

彡(゚)(゚)「うるさいってなんやねん!!」
彡(•)(•)「ワイは正しいことを言ってるだけや!」

(`‐ω‐´)「なんだよ…」
(ꐦ`•ω•´)「アドルフは口ばっかでろくに仕事もしてないくせに!」

彡()()「はあああん!それを言ったらお終いや!!」
彡(●)(●)「もう勝手にせえや!」

(`‐ω‐´)「ああ、そうさせてもらうね!」

ボクたちは完全に決別した

8 : 2024/05/11(土) 13:21:29.57 ID:16zf69sG0
(´-ω-`) .。oO(なにがきっかけだっただろう…)
音楽性の違いだったかな?
うまく思い出せない、でも……

(ꐦ`•ω•´)「アドルフのバーカ!」

9 : 2024/05/11(土) 13:22:12.17 ID:16zf69sG0
ボクはトランペット奏者としてコンサートに出演予定だった
それまでの数日間、緊張の連続だった

( ¯灬¯ )「よし、今日の仕事はここまでだ」
( ;´-ω-` )「ふう…」

(´・ω・`)「ちょっと外でトランペット吹いてくる」
(∗ 'ω' ∗)「また一人?アドルフ君はどうしたの?」

(`‐ω‐´)「……知らないよ あんな奴!」

バタン!!

懸命に音を鳴らした
ちっともおもしろくない…

10 : 2024/05/11(土) 13:22:59.04 ID:16zf69sG0
(ꐦ`•ω•´) .。oO(これもあれもアドルフのせいだ!)
なんでコンサートの前にこんなイライラしないといけないんだ!
アドルフはいつだってそうだった、いつもボクをバカにして

いつだって…いつだって……

11 : 2024/05/11(土) 13:23:28.35 ID:16zf69sG0
(´^ω^)(アドルフ聞いて!ボク コンサートに出るんだよ)
(´^ω^`)(あの聖エリザベートだよ!)

彡(゚)(゚)(ファッ!)
彡(^)(^)(やったやんけクビツェク!)

12 : 2024/05/11(土) 13:23:52.71 ID:16zf69sG0
…いつだって

(;´・ω・` )(アドルフ…うまくやれるかな 不安だよ…)

彡(•)(•)(なに言っとんのや!不安なら練習や)
彡(^)(^)(ワイがとことん付き合ったる!!)

13 : 2024/05/11(土) 13:24:28.61 ID:16zf69sG0

ブオン
( ;´-ω-` )(いつもここで間違えちゃうんだ…)
彡(゚)(゚)(そこはもうちょっとこうしたらいいんちゃうか?)

(´・ω・`)(こう?)パー♪

(´^ω^`)(やったできたよ!)
彡(-)(-)(ワイの指導の賜物やな)

( ;´-ω-` )……
彡(゚)(゚)(どうしたんや?)

(;´・ω・` )(こんなんで本番 大丈夫かな…)

彡(●)(●)(大丈夫や!絶対にうまくいく!)
彡(^)(^)(ワイが保証したる!!)

14 : 2024/05/11(土) 13:25:38.48 ID:16zf69sG0
コンサート当日

:(´ºωº`):
胸が高鳴る
コンサート会場は満員
オーケストラで子どもはボクだけ……
トランペットは間違えるとすごく目立つ…

15 : 2024/05/11(土) 13:26:11.98 ID:16zf69sG0
ブー 

:(´ºωº`):
幕が上がった
指揮者がおじぎをして挨拶している

(。゚ω゚) .。oO(あっ、お母さん!)
お母さんは客席で不安そうにボクを見ている

( ;´-ω-` ) .。oO(…そんな顔しないでよ)
ボクまで不安になっちゃう…

16 : 2024/05/11(土) 13:26:45.33 ID:16zf69sG0
(´・ω・`).。oO(あれ?)
お母さんの隣にいる、大きい目をしたのは…

(。゚ω゚) .。oO(え、なんでいるの!?)
そこにはアドルフがいた

彡(^)(^)
彼はボクを励ますように微笑んでいた

(´・ω・`)

驚きのせいか、励ましのせいか
不安は吹き飛んでいた

ありがとう

17 : 2024/05/11(土) 13:27:14.48 ID:16zf69sG0
・・・

( ˙-˙ ) .。oO(すべてが上出来に終わった)

( ゜∀゜)o彡゜( ゜∀゜)o彡゜( ゜∀゜)o彡゜( ゜∀゜)o彡

大きな拍手が巻き起こった!
お母さんは立ち上がって、目に大きな涙を浮かべている

その横でアドルフは…
その大きな目を真っ直ぐボクに向け拍手を送っていた

(∗ ;ω; ∗)彡(゚)(゚)ノノパチパチ

18 : 2024/05/11(土) 13:27:57.20 ID:16zf69sG0
その日の夜
ボクとアドルフは人気のない静かな森に出かけた

( ´-ω-` )「アドルフ…ごめ」

彡(-)(-)「なんも言わんでええ…」
彡(^)(^)「ワイはすばらしい音楽が聴けて満足や!」

(´・ω・`)……

彡(-)(-)「でもな、これだけは言っとく」
彡(•)(•)「クビツェク お前は音楽家の最高峰、指揮者になれ!」

(。゚ω゚)!!

19 : 2024/05/11(土) 13:28:34.64 ID:16zf69sG0
彡(゚)(゚)「お前には才能がある」
彡(゚)(゚)「その才能を埋もれさせたらアカン!」

彡(゚)(゚)「クビツェク お前は…」
彡(^)(^)「音楽の中でこそ輝く存在や!」

(。゚ω゚)……

この時、アドルフの途方もない言葉に
ボクはなにも答えられなかった…

20 : 2024/05/11(土) 13:29:05.85 ID:16zf69sG0
リンツ市街
彡(゚)(゚)「お!新しい家が出来とるぞ」
(´・ω・`)「ほんとうだね」

彡(>)(<)「さっそくスケッチしたろ!」
(´・ω・`)「また、始まった……」

アドルフは常に紙と鉛筆を持ち歩いていた
そして気に入った風景や建物があると、すぐスケッチした

21 : 2024/05/11(土) 13:29:42.04 ID:16zf69sG0
(´・ω・`) .。oO(それにしても上手だな)
ボクもたまに仕事でスケッチすることがあるけど
アドルフのようにスラスラとは描けない
それに早いだけでなく、大胆な筆遣いで書き出される線はとても魅力的だ

(´・ω・`)ジー
入り乱れた線のもつれ合いの中から建物が出来上がっていく
見ていて、とてもおもしろい

22 : 2024/05/11(土) 13:30:36.77 ID:ggF+YvNs0
うおおお
23 : 2024/05/11(土) 13:30:40.39 ID:16zf69sG0
彡(゚)(゚)「よし、完成や!」
(´・ω・`)……

(´・ω・`)「ねえ、アドルフ?」
彡(゚)(゚)「なんや」

(´・ω・`)「色は塗らないの?」
(´・ω・`)「いつもスケッチだけで、ちゃんと仕上げないよね」

彡(-)(-)「うーん、色まで塗りだすと時間がかかるしな…」
彡(゚)(゚)「なんやったらワイの部屋に来るか?」

彡(゚)(゚)「完成品ならいくらでもあるで」

(´・ω・`)「え!いいの?」
彡(゚)(゚)「かまへんで」

彡(゚)(゚)ノ「ほな、行こか」

24 : 2024/05/11(土) 13:31:22.85 ID:16zf69sG0
アドルフの家
彡(゚)(゚)「ここがワイの部屋や」
(´・ω・`)「そういえば、アドルフの部屋に入るのは初めてだ」

彡(゚)(゚)「前はチビに邪魔されたしな」
ガチャ

(´・ω・`).。oO(へえーここがアドルフの…汚いな)
部屋中が紙だらけだ……

彡(゚)(゚)「たしか……完成品はここに…」
彡(゚)(゚)ノ「ほれ、これや」

(´・ω・`)「ありがとう」

25 : 2024/05/11(土) 13:31:55.55 ID:16zf69sG0
( ¯•ω•¯ ) .。oO(んー……)
正直……微妙だな……
水彩画なのに絵の具を塗りたくっているだけ
即興的な雰囲気や薄く柔らかい水のにじみをまったく表現できていない
感想としては不器用で没個性……稚拙の一言に尽きる
26 : 2024/05/11(土) 13:32:28.22 ID:16zf69sG0
彡(゚)(゚)「気に入ったのがあれば、好きなだけ持って行っていいで」
(;´・ω・` )「う、うん。ありがとう」

Σ(´•ω•)「ん?」
(´・ω・`)「アドルフ……あれって…」

彡(゚)(゚)「ただの製図板やろ」
(´・ω・`)「いや……この書きかけのこれは……建物の設計図?」

彡(゚)(゚)「せや、ワイが設計した新しい劇場や」
(´・ω・`)「へーすごい……」

27 : 2024/05/11(土) 13:32:55.01 ID:16zf69sG0
ものすごい緻密に細部まで描かれている

ボクはこれでも家具職人の端くれだ
設計に関しては生まれ持っての才能は関係ない
技術や知識をどれだけ努力して身につけるかにかかっている

きっとアドルフはここまで出来るようになるまで
相当な苦労をしたんだろう

28 : 2024/05/11(土) 13:33:19.67 ID:d3T2FaQ90
うむ、これはなんJやな
29 : 2024/05/11(土) 13:33:28.50 ID:16zf69sG0
(`-ω-´)「いやーアドルフ。これはすごいよ」
(´・ω・`)「いったい誰に教わったんだい?」

彡(゚)(゚)「独学やが」
(´・ω・`)「え?」

彡(゚)(゚)「建築関連の本を読んで、あとは適当に思い付きで書いてるで」

(。゚ω゚) .。oO(えええ!!)
ちょっと待ってよ
さっきのボクの発言、返してよ!
設計に才能は関係ない、努力の賜物だって……
カッコつけたばかりなのに!

30 : 2024/05/11(土) 13:34:15.12 ID:16zf69sG0
彡(゚)(゚)「なんやクビツェクも建築に興味があるんか」
彡(^)(^)「ならこれからは、建物の話でも盛り上がれるな!」

(;´・ω・` )「いや……ボク、建物に全然…詳しくないし……」
彡(^)(^)「謙遜せんでええ。それに、いくらでもワイが教えたる」

彡(゚)(゚)「せや、いい機会やし……これプレゼントするわ」
彡(゚)(゚)ノ「ほれ」

(;´・ω・` )つ「あ、ありがとう」
(´・ω・`)「これは邸宅の設計図……」

31 : 2024/05/11(土) 13:34:37.59 ID:16zf69sG0
(´・ω・`) .。oO(ん?)
なんか見覚えというか……聞き覚えがあるような気が……
なんだったかな……
……
そうだ!

(´・ω・`)「ねえ、これってステファニーと一緒に住むために設計した……」
彡(゚)(゚)「ちっ、覚えとったか」

(´・ω・`)「こんなの貰っても困るんだけど…」
彡;(゚)(゚)「ワイも捨てるつもりでいたんやが……」

彡(-)(-)「どうしても思い入れがあってな……」
彡;(゚)(゚)「処分できんのや!」

彡(゚)(゚)「頼む、受け取ってくれ」
(´・ω・`)「えぇ…」

彡(-)(-)「この通りや」
(´・ω・`)「もう……しょうがないな」

32 : 2024/05/11(土) 13:35:13.01 ID:16zf69sG0
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`)┓三三3
ボクとアドルフはよくリンツの市街を歩き回った

|苗| ( º言º)    「まるで犬小屋やな」\(゚)(゚)ミ(‘・ω・` 😉
そしてアドルフは目につく建物を必ず批評した

「ここの街並みは一掃して道にすべきや」\(゚)(゚)ミ(‘・ω・` 😉
アドルフが何より熱狂していたのは都市計画についてだった

33 : 2024/05/11(土) 13:35:38.65 ID:16zf69sG0
彡(゚)(゚)「はーなっとらん、なっとらん」
彡(゚)(゚)「誰や、こんなアホな街を作ったアンポンタンは!」

彡(゚)(゚)「役所は古びたゴシック様式でなく、もっと近代的にすべきや!」
彡(゚)(゚)「博物館にはフリーズ装飾を施さんとアカン!」

彡(-)(-)「嘆かわしい……何で誰も文句のひとつも言わんのや…」
( ;´-ω-` )「誰だって街並みに不満もあれば、要望も持ってるよ……」

彡(゚)(゚)「ん?だったらなんで変えんのや?」

( ;´-ω-` )「そんなの決まってるじゃないか…」
(;´・ω・` )「莫大なお金がかかるからだよ」

(;´・ω・` )「アドルフの話にはついていけないよ……」
( ;´-ω-` )「そんな実現不可能なこと考えてどうするんだよ……」

彡(゚)(゚)……

34 : 2024/05/11(土) 13:36:06.75 ID:16zf69sG0
彡(-)(-)「はー何を言うかと思えば……」
彡(●)(●)「そんなんやから何も変わらんのや!!」

(。゚ω゚)!!

彡(゚)(゚)「クビツェク お前は建物がどうやって建てられるか知っとるか?」
(;´・ω・` )「えっと……まず土台を作ってから骨組みを組んで……」

彡(-)(-)「ちゃう……そんな現場レベルの話とちゃうねん……」
彡(゚)(゚)「ええか。建築はまず計画があって、それに権威が付いて動く……」

彡(゚)(゚)「そして資金が加わって実現するんや」
彡(゚)(゚)「だから、計画がないことには何も始まらん」

彡(゚)(゚)「ワイはそのための計画を日々考えとるんや」
(;´・ω・` )「でも…そんなことを考えても無駄なだけだよ」

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